パイロットの就職率のリアルと現場の本音
パイロットに就職率などは存在しない
就職率で始めた人から、脱落していく。
必ず最後まで読んでください。救えるルートが必ずありますから。
問い合わせの7割が「就職率」「就職先」「就職の可能性」です。それを毎回、私なりに噛み砕いて説明してきました。ですが今回は少し違います。2026年8月のカナダ滞在期間中に、提携先フライトスクールや取引のあるチャーター会社、営業先などで実際に得られたリアルな現実を、そのまま書きます。
言い方がきついとか、夢を壊す書き方だとかのクレームは、残念ながら受け付けません。自らそれらのスクールやチャーター会社の社長に、直接クレームを言えばいいです。
And then?で終わりますから。
皆さんの夢や挑戦したいことは、誰かの描いた安い「率」のなかに入るくらいチープなのですか?まぁそうでしょうね。でもいいんです。その間違いと勘違いに気づくことや、気づかせることも私の大事な仕事であり、嫌われながら教える自己犠牲だと割り切っています。
仮に就職率90%のところで、もし就職できなかったらどうするか。考えてください。考えないでしょ?そうなんです。みんな、いい側面に自分を当てはめるんです。10%側を考えないといけないんです。
就職率70%だったとしても、大丈夫です。あなたたちは、そこにすら入っていません。確実に30%側です。
Guys on the MOONになるには、まず行動です。アームストロング船長の言葉と同じです。小さな一歩や行動が、その先を創り出すのです。その一歩を踏み出せた人は、就職率とかいう安い言葉に踊らされることなく、「パイロットのステージ」に立つことができるのです。
私の書く記事は、時に炎上し、時に大きな共感を得ることがあります。ですが、それを目的として書いているのではありません。私が経験し、感じてきたことを一つの価値として、1人でも多くの人に共有し、その価値を次の経験にしていきたいのです。ですから、一貫して耳障りのいい情報は発信していません。
まずは挑戦してみませんか?「英語力に不安があっても大丈夫!」とか、ジャックダニエルが生涯飲み放題になったら言うかもしれませんが、私はそんなことを言いません。ただ一つ言えることは、「行動が未来を作り、その未来が経験を生み、価値に変えていく」ということです。まずは、最初の行動が全てなのです。
現地で、実際に言われたこと
2026年8月、カナダで実際に交わした会話です。言葉を包み隠さず、そのまま書きます。
「日本の訓練生はどんな人がいるの?我々は中国やインドとかからも留学生がくるけど、訓練生の多くが”就職率”とかいう言葉をベースに訓練するのなんで?バカなの?マジでそんなのI don’t give a fuckだよ?なんで自分の人生をRateで考えるの?必要なのはそれ以上に飛行時間やRatingだろ?俺たちは安全に訓練を提供し、立派なパイロットに育てるのが仕事なのに、まだステージにすら立てていない人に就職率なんか何の役にも立たないよな?」
「カナダはキャリアのステップで、人により差はあれど大体は教官→チャーター→Regional or Medevacなど→エアラインとかがよくあるけど、就職を主体に考えると潰しの効かないパイロットが量産されていく。実は世界にパイロットは五万と余っているのになぜ就職できてないか、なぜパイロット不足が起きてるか。それは紛れもなく制度の側面だけ読み、切り取ったパイロットがあまりにも多いということだ。そんな就職率や自分の仕事ばかり考えてる人は必要としないし、もっと大事な訓練や周りとの信頼構築があるはずだ。それを経て操縦桿から安全が作られる。」
「英語もまともに話せない、過去の栄光や肩書きばかりで自分があたかも選ばれたかのような無駄に高貴な選民意識で訓練している諸君に、チャーターの意味や本質、そしてラグジュアリーの中にある徹底され、洗練された安全システムや秩序を理解することは到底できないことだろう。優秀な人間はゴロゴロいる。なぜ君を選ぶ必要がある?選ばないといけない?その理由は何だ?移民局が推進してる建前上の制度のために、我々が会社の誇りやお客様への信頼を放棄してでも君たちを雇う理由がどこにある?これはカナダ人であっても同じだ。代わりはいくらでもいる。私たちは暇ではない。」
「就職?そんなこと知ったことではない。勝手にやってくれ。ただ一つ重要なことがある。それは”当たり前のことを当たり前にする“。これが一番の近道でありそれ以上もそれ以下も存在しない。ライセンスなんか正直誰でも取れる。なぜなら我々プロが教えるからな。後のことは自分自身のTrailが時間をかけて身を結ぶんだよ。訓練に集中、当たり前を当たり前にする。それこそが就職どころか仕事の本質にも結び付くんじゃないかい?」
これは特定の一人の意見ではありません。スクール、チャーター会社、それぞれ違う立場の人たちが、独立に、同じ結論にたどり着いています。
いいですか。大事なことなのでもう一度言いますが、これは言葉を包み隠さず、現場の言葉を私なりに多少なりともオブラートとビブラートでミキサーにかけたミクスチャーアルバムです。これは皆さんの挑戦や考えを否定したり貶したりする意味で、私がここに出しているのではありません。悔しいけれど、これが現実だということを知ってほしいから書いているのです。
※クレームや文句は一切受け付けません。言いたい方は、私と一緒にカナダに行ってクレームツアーでもしませんか?
そもそも、就職率とは何ですか?
ここで一度、立ち止まって考えてみたいことがあります。そもそも「就職率」とは、何を指しているのでしょうか。
自社養成は、パイロットとしての採用ではなく、社員としての採用が前提です。ここでいう「就職率」とは、一体何を指しているのでしょうか。正しくは、「最後まで訓練を続けられた人の率」ではないでしょうか。航空大学校は、それこそただの「合格率」です。何人応募して、何人合格したか。私立大学も同じです。
そもそも「就職率」という言葉が先に出ること自体がおかしいのです。仕事を選ばなければ、世の中の就職率は100%でしょうし。
私の思う就職率とは、「自分がどれだけ結果を残してきたか」だと思います。訓練から職を得るまでの期間を通して、失敗も成功も含めて、その先に辿り着くために何回挑戦したのか。10回挑戦して10回ダメなら0%ですし、2回挑戦してそのうち1回で内定をもらえば50%です。
しかし、フライトスクールなどが出している「就職率」には、根拠が乏しいところがあります。たとえば70%。これは何を根拠に言っているのでしょうか。
その「70%」、根拠を聞いてみましたか?
- 2023年に入った人の数字ですか?2023年に就職活動をした人の数字ですか?
- 2026年や2027年に挑戦する人は、どうなるのでしょうか?
- 事業用操縦士・計器飛行証明・多発限定・飛行時間300時間・PIC150時間など、条件は揃った人だけの数字ですか?
大学も同じことが言えます。統計とは、本来信憑性が高く、根拠も明確に存在するものです。しかしパイロットの「就職率」に関しては、その根拠や定義が曖昧なまま、なんとなく抽象化されてきたことが事実ではないでしょうか。
予備校などの合格率に一定の根拠があるのは、「一定の期間において、一定のレベルかそれ以上まで水準をクリアした人にだけ受験をさせている」からではないかと思います。受験資格そのものに、すでにフィルターがかかっている。だからこそ、その先の数字に意味が生まれます。パイロットの「就職率」には、この前提がありません。
もちろん、AIに「パイロットの就職率は?」と聞けば、世界中のデータを漁り、それらをベースに回答するでしょう。ですが、そこから一歩深掘りすれば、おそらく私と同じような結論に辿り着くはずです。
見えている90%より、見えない10%を見る
仮に就職率90%のところで、もし就職できなかったらどうするか。考えてください。考えないでしょ?そうなんです。みんな、いい側面に自分を当てはめるんです。10%側を考えないといけないんです。
しかしながら、その逆引きこそが、90%に入るための大事な要素を隠し持っています。
第二次世界大戦中、無事に帰投してきた爆撃機の弾痕を見て、軍はその箇所を補強しようとしました。しかし統計学者エイブラハム・ヴァルドは、それは逆だと指摘しました。本当に補強すべきは、弾痕のない箇所だ。なぜなら、そこを撃たれた機体は、そもそも帰ってこられなかったからです。この逆転の視点が、後の戦闘機や爆撃機の装甲・防弾板の強化につながりました。
見えている90%側だけを見て安心するのではなく、見えない10%側にこそ、本質が隠れている。今回の話と、まったく同じ構造です。
就職率という、見えている側の数字だけを見て一喜一憂するのは、帰ってきた機体の弾痕だけを見て安心するのと同じです。本当に見なければならないのは、そこに入れなかった人たち、そしてその人たちが何を飛ばしていたのか、ということです。
ここでいう10%は、合格しなかった、就職できなかった人の意見や現実です。しかし考えてください。そんな意見は、ネットには出てきません。そもそも、私の記事で脳内が炎上する人たちが、まさにそちら側にいる人たちなのですが、本来はそういう側にいる人の原因を読み解くことこそが大事なのです。彼らとお友達になれないのが残念です。
私はオンラインや対面で説明をする際、ライセンスが取れない人、就職できない人の特徴について話すことがあります。驚くほどに、共通点があります。ですが、ここではあえて伏せておきます。なぜなら、問い合わせをして質問をし、ステージに上がろうとしている彼ら、彼女たちの行動力と意志を、無碍にしたくないからです。
ここまで読んで、「見下された」「馬鹿にされた」と感じる人は、正直パイロットに向きません。悔しさがバネになることはあっても、しょうもないプライドが、お客様や航空秩序の発展には1ミリも寄与しないからです。
しかし悔しいと思いつつ、「言われてみればそうだよな」と少しでも感じたのであれば、あなた方を空にあげてみます。まずは、今の自分がどういうマインドで、どういうポジションにいるかを正しく把握することは、何より大切かもしれません。
悔しくていいんです。馬鹿にされたと感じていいのです。ただ、次に何をするかで、数年後の未来は変わるでしょう。
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