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パイロットに必要な英語力と目指すべきスコア。正直に答えます。

2026年版 パイロット英語力

パイロットに必要な英語力と目指すべきスコア。正直に答えます。

IELTS・TOEIC・英検——スコアの意味と、本当のハードル

英語力で迷っているなら、まずこれを読んでください。
2026年 更新
SMART FLIGHT Inc.

「英語力はどのくらい必要ですか?」

正直に答えます。

唯一の正直な回答
ネイティブ同等です。

これが唯一の正直な回答です。しかし同時に、これは現実的な答えではありません。ネイティブ同等の英語力を持つ日本人が、パイロットを目指しているケースはほぼ存在しないからです。

では「英語力がなければパイロットになれないのか」と言えば、そうではない。重要なのはスコアで今の自分の立ち位置を把握すること。そして訓練を通じて英語に慣れ続けること。スコアはゴールではなく、現在地を示す座標です。

業界が発信してこなかった事実

日本でパイロットとして働くにしても、海外で働くにしても、英語力だけは避けて通れません。これは業界が積極的に発信するべき事実です。にもかかわらず、いまだにパイロットを神格化する文化や、パイロットを過保護に扱う習慣などの側面からなのか、巷にある情報は耳障りのいいことしか書かれていません。

この記事では、IELTSやTOEICのスコア別に「何ができて何が難しいか」を正直に示します。そして最後に、英語力よりもはるかに重要なことをお伝えします。

スコア別ロードマップ

スコアは「現在地」を示す座標である

このテーブルは「このスコアがあればパイロットになれる」という表ではありません。今の自分がどこにいて、どこを目指すのかを把握するためのロードマップです。何かしら始めれば、自ずとここに辿り着きます。

レベル
IELTS / TOEIC
できること
困難なこと
訓練開始前
IELTS 5.0〜5.5 TOEIC 500〜600
  • 日常会話レベルの意思疎通
  • 教官の指示を文脈で補いながら理解
  • 渡航・生活に最低限対応
  • ATC(航空無線)の聴取・復唱
  • 英語マニュアルの読解
  • 教官への質問・議論
訓練中
PPL〜CPL
IELTS 6.0〜6.5 TOEIC 650〜750
  • ATCの基本的なやり取り
  • フライトプランの作成・提出
  • 教官との技術的なディスカッション
  • 英語マニュアルの概要把握
  • 非標準フレーズへの即応
  • 緊急時の英語対応
  • ネイティブとの速いテンポの会話
IFR〜就職
IELTS 6.5〜7.0 TOEIC 750〜800
  • IFR環境でのATC対応
  • 航空会社の英語面接
  • 英語での運航書類一式の処理
  • 乗客への英語アナウンス
  • ネイティブレベルの交渉・折衝
  • 高度な技術文書の即時解釈
教官レベル
CFI
IELTS 7.0以上 TOEIC 800以上
  • 英語での指導・説明
  • 訓練生の英語力評価
  • 航空会社・規制当局との折衝
  • 多国籍環境でのリーダーシップ
  • このレベルに到達すれば大半の業務に対応可能
  • あとはネイティブとの経験値の差のみ

スコアは現在地の確認手段であり、目的ではありません。「IELTS 6.0が取れたらパイロットになれる」ではなく、「IELTS 6.0は訓練中レベルにいる、次のステージへ進もう」という読み方が正しい使い方です。

スコアを超える唯一の方法
“場数”だけが、スコアで伸ばせない領域を開く。

スコアでは伸ばすことのできない領域を伸ばす唯一の方法があります。それは“場数”です。質より数をこなす。積極的に失敗と失態を経験し、それを“資産”という資本に変えること。

Goddamn スコア野郎に負けない、圧倒的なポジションを築き上げることができます。
スコアとの向き合い方

スコアは肩書きであって、あなたの人格資本ではない。

IELTS 7.0を持っていても、ATCで固まる人がいます。TOEIC 600でも、教官と堂々と議論できる人がいます。

スコアは「あなたが英語をどれだけ使えるか」を証明するものではありません。ある一定の試験形式において、ある一定の条件下で発揮できたパフォーマンスの記録です。それ以上でも、それ以下でもない。

間違った使い方
「IELTS 6.0が取れたから、もう英語は大丈夫。」
スコアをゴールと勘違いし、そこで英語への投資をやめてしまう。最も多い失敗パターン。
正しい使い方
「IELTS 6.0は現在地の確認。次のステージへ進む根拠にする。」
スコアを現在地の座標として使い、さらに上を目指す燃料にする。
最も重要なこと
必要なのは「スコアのための勉強」ではなく、
「英語に慣れる」こと。

パイロット訓練の現場で求められるのは、試験で正解を選ぶ能力ではありません。ATCとのやり取り、教官への質問、緊急時の判断——すべては「慣れ」の積み上げです。スコアはその慣れを測る一つの指標に過ぎず、慣れそのものではありません。

パイロット留学は「お受験」ではありません。人生を賭けた一大投資イベントです。スコアを取るための勉強に時間を使うより、英語の世界に飛び込んで慣れることに時間を使ってください。

本当のハードル

ぶっちゃけます。英語力より、はるかに高いハードルがあります。

正直な情報をお伝えします。

現場からの本音
英語力なんて、どうでもいい。

※「必要ない」ではありません。優先順位の話です。

英語は今日からYouTubeで何かを見始めれば、自ずと伸びます。継続さえすれば、時間が解決します。

しかし、これはYouTubeでは絶対に解決できません。

01
家族の理解
配偶者・親・子供——あなたの挑戦を支える人たちが、本当に理解し、支援してくれているか。これがない状態で渡航しても、精神的に長続きしません。
02
周りの理解
職場・友人・コミュニティ。「今更パイロット?」「現実的じゃない」という声を跳ね返す覚悟と、それを説明しきる力が必要です。
03
自分を説得すること
最大のハードルは自分自身です。「英語力がないから」「年齢が」「お金が」——それは全部、本気で取り組む覚悟がないときに無意識に作り出す言い訳です。

英語はYouTubeで今日から始められます。
でも奥さんの理解は、YouTubeからは得られません。

親御さんの支援も、自分自身の覚悟も——それはあなたの行動によってしか生まれません。

あなたのパイロット挑戦を阻害しているのは英語力ではなく、「英語力にかこつけて煙に巻く、あなた自身のマインドとスタンス」なのです。

最初の一歩

まず、英検3級を受けなさい。

IELTSやTOEICの前に、英検3級から始めることをすすめます。理由は二つです。

01
日本語UIで試験慣れをする
英検は問題冊子・説明が日本語です。まず「試験を受ける」という行為そのものに慣れる。緊張の抜き方、時間配分の感覚——これを低コストで体験できます。
02
英語UIへの移行が近道になる
次にIELTSやTOEICを英語で受けることで、海外のテキストや表現に慣れる訓練になります。「全部英語で問題が書かれている」という感覚に早く慣れることが、訓練環境への適応を早めます。
英検3級が測るもの
あなたがこの世界に、どれだけ本気で踏み込めるか。

英検3級は難しくありません。それでも受けない人は、パイロットを目指すべきではありません。英語力の問題ではなく、覚悟の問題だからです。まず英検3級を受けて、自分がどれだけ本気で取り組めるか、そしてこの世界を少しでも覗く覚悟があるかを確かめてください。

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よくある質問

FAQ

Q パイロット留学に必要な英語力は?
A
正直に答えるとネイティブ同等です。ただし現実的なスコアの立ち位置はあります。IELTS 5.0〜5.5・TOEIC 500〜600で訓練開始は可能ですが、それはスタートラインに立てるというだけの話です。重要なのはスコアではなく、英語に慣れ続けること。スコアは現在地の座標として使い、常に上を目指す姿勢が求められます。
Q IELTSやTOEICのスコア別に何ができて何が難しいですか?
A
訓練開始前(IELTS 5.0〜5.5 / TOEIC 500〜600):日常会話・教官指示の文脈補完は可能。ATCの聴取・英語マニュアル読解・教官への質問は困難。
訓練中PPL〜CPL(IELTS 6.0〜6.5 / TOEIC 650〜750):ATC基本対話・フライトプラン提出・技術ディスカッションが可能。緊急時英語対応・非標準フレーズへの即応は困難。
IFR〜就職(IELTS 6.5〜7.0 / TOEIC 750〜800):IFR環境でのATC・英語面接・運航書類処理が可能。
教官レベルCFI(IELTS 7.0以上 / TOEIC 800以上):英語での指導・評価・折衝・多国籍リーダーシップが可能。大半の業務に対応できます。
Q 英語力がないとパイロットは目指せないですか?
A
英語が必須であることは事実です。ただし「英語を避けながらパイロットになりたい」という発想自体が問題です。ATCはすべて英語、マニュアルも英語、教官との対話も英語——英語を避けながらパイロットになることは構造的に不可能です。英語力がないことが問題なのではなく、英語から逃げようとするスタンスがパイロットに向いていないということです。
Q 英検3級から始める理由は何ですか?
A
二つあります。一つ目は、日本語UIで試験を受ける感覚に慣れること。時間配分・緊張の抜き方を低コストで体験できます。二つ目は、その後IELTSやTOEICを英語UIで受けることで、海外のテキストや表現への適応訓練になること。いきなりIELTSから始めるより、段階的に慣れる方が近道です。そして何より、英検3級を受けるかどうかが「覚悟があるかどうか」を測る最初のリトマス試験です。
Q 英語力より大事なことがあるって本当ですか?
A
本当です。英語はYouTubeで今日から始めれば自ずと伸びます。しかし家族の理解・周囲の理解・自分自身を説得することは、YouTubeでは解決できません。パイロット挑戦を阻害しているのは英語力ではなく、「英語力にかこつけて煙に巻く自分自身のマインドとスタンス」であることがほとんどです。英語力の前に、まず覚悟と環境を整えることが本当の優先事項です。
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この記事の著者

谷口 一貴

谷口 一貴

株式会社SMART FLIGHT 代表取締役

元海上自衛隊潜水艦乗り。航空学生を3度受験するも合格叶わず。退官後に単身渡米し操縦免許を取得。自身の飛行時間は200時間ながらも、カナダ・アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・フィリピン・マレーシア・シンガポールを含む世界100校以上のフライトスクールを直接視察。海外訓練の費用メリットが帰国後の書換や免許取得後のコスト構造で消えるという現実を自ら経験し、さらにパイロット不足の本質的な原因が「免許制度と採用現場の乖離」にあることを現場で確認。訓練から就職まで一貫して設計するトータルコーディネートの必要性を確信した。現在までに30回以上のカナダ渡航を重ね、航空会社・フライトスクール・空港関係者との信頼ネットワークを構築。累計40名以上の訓練生を送り出し、国内外の航空会社で活躍するパイロットを輩出している。カナダのビザ制度にも精通。

Last Updated: 2026.05.29

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