本気じゃなければ
助けません。
パイロット留学にかける思い — 谷口 一貴
パイロット留学にかける思い
社長の思いシリーズとしてパイロット留学にかける思いを語らせてください。もしかしたら業界の人からすると「とんでもねぇこと言いやがって」「パイロット留学なんか」など色々とご意見があると思いますが、知ったことではないです。市場を開拓しビジネスモデルを確立した以上そこには需要があるので。
なぜ日本人はパイロット留学をよく思わないのか
日本人パイロットの多くはパイロット留学を否定する人が多いです。特に自社養成・航空大学出身者に多く見受けられ、それらの根拠ない意見を間に受けてきたことにより日本の航空業界は時代遅れとなり、先進国の中で航空後進国と成り下がったのです。私が思うに以下の2つが大きいと考えています。
① 時代遅れの考え方
この日本には「グレートキャプテン」なる人たちが存在しますが、何がグレートなのか全く理解できません。ワードが使えない、英語が話せない、コミュ障、他者を敬わない、ビジネススキル皆無——到底グレートと思えない「自称グレートキャプテン」を採用・仕事上の付き合いなど含めて多く見てきましたが、その世代や考え方が今の日本の航空文化を作り出し、一つの癌となっているのは間違いありません。
② フィリピン留学という負の遺産
今あなたはフィリピンへのパイロット留学を勧められていませんか。それは残念です。今から数十年前(2000年初頭)まで「3日間で操縦免許取得!」などのコースや「フィリピンでパイロットを目指そう!日系航空会社就職実績多数!」などが横行していました。こういった粗悪品が日本に持ち込まれ、小型機の事故が増えたことで航空局は締め付けを強化し、現役パイロットが総称して「海外免許は」と一括りにする文化が生まれたのです。
留学生が半数近いカナダのフライトスクール
カナダのフライトスクールは多いところで半数近い訓練生が海外からの留学を占めています。インド・中国・韓国・台湾・シンガポール・日本・ベトナム・アルゼンチン・メキシコなど実に様々です。
留学生が多い理由に母国にフライトスクールがない・もしくはあまり質が良くないという現状がありますが、何よりカナダのような国で訓練をした方が社会性・操縦技術・国際性が身につくため、諸外国のパイロットを目指す人は訓練後に母国へ帰る予定であっても海外での訓練を望みます。母国より遥かに高い訓練費を支払ってもなのです。なんでもかんでも日本基準は通用しません。
パイロット留学を勧める一番の思い
パイロット留学を勧める一番の思いで言えば、もちろん訓練費用の安さがあるのですが、ここはもう少し定性的で抽象的な理由をお話します。大きく分けて3つ。「社会性の構築」「適応能力」「広視野」です。語学力の向上もありますがパイロットが語学力の向上を目指すのは当たり前の事なのであえて入れていません。
社会性の構築
私は過去から一貫して言っていますが、パイロットには「社会性」がありません。※特に日本。なぜ社会性がないかというと、「自分を勝ち組」と思っていてその後の「学習(新たに学ぶこと)」をしないことが挙げられます。多くのパイロットと話していると社会性が与える安全面への影響や心理的安全性には注目していないことがよく見えてきました。なぜ日本のパイロットに多いかというと国際社会から取り残されていることが一つの理由ではないかと私は結論づけました。他者を尊重し、自己の能力向上に努め、社会へ貢献する——こういった当たり前のことができていないような気がしてなりません。
適応能力
パイロットにとって「適応能力」とは操縦より重要なポイントと私は考えています。ここで言うのは環境への適応能力を意味します。留学だけでなく慣れない土地へのフライト、慣れないキャプテンとのフライトなどパイロットは常に多くのストレスやプレッシャーに押しつぶされそうになりながら日々を過ごしています。「適応能力」のある人は自分の限界を理解し、言語化し、行動を起こします。これにより自らの立ち位置を理解した働き方ができるのです。
広視野
広視野も当たり前のように聞こえるかもですが、視野の狭いパイロットは実に多く存在します。これは物理的な視野ではなく、状況を瞬時に判断するために常日頃から「感性を磨く」ということを意識すると自ずとついてくる能力です。街にあるカフェの看板、電車内の広告、CMの内容など——そこに「なぜ」という疑問を抱かない人が多いのは事実ですが、パイロットこそ目指す時から「なぜ」を持っていなければ不測の事態への対応が遅れ、最悪のケースを招いてしまうのです。
最後に
パイロット留学にかける思いということで少し強めの内容かもしれませんが、私が言いたいのは「現実から目を逸らすな」「パイロットは偉大ではない」ということです。自分の立場や仕事にあぐらをかき、業界の発展に寄与すらしていないパイロットを多く見てきました。
しかしこれからの航空業界はZ世代こそ変える力があり、その行動力や柔軟な発想こそが日本の航空業界を更に良くしていくことでしょう。
Last Updated: 2026.05.30





