海外で訓練して日本で就職するまでの流れ
海外で訓練してから日本で就職はできる?
よくある問い合わせで、海外で訓練して日本で就職することはできるのかと受けることが多いのですが。
結論からお伝えすると、海外で訓練してから日本で就職することは制度上まったく問題ありません。これは、ICAO(国際民間航空機関)の基準に基づき、各国のライセンス制度が国際的に整合しているためです。日本とカナダはいずれもICAO加盟国であり、一定の条件を満たせばライセンスの書き換えが可能です。
ここでは海外で訓練して日本で就職するまでの流れを解説していきます。
実際に多くの航空会社では、自社養成や海外提携校を通じて海外で訓練を行っています。アメリカやオーストラリアはその代表例で、外資系航空会社ではカナダやニュージーランドでの訓練を採用しているケースもあります。つまり、海外で訓練を受けて帰国後に日本で就職を目指すのは、世界的に見ても自然な流れです。
ただし、カナダで取得した免許を日本のものに書き換える際は、クロスカントリー飛行などの基準を満たしている必要があります。これらの条件を満たしていない場合、追加訓練が必要になることもあります。
自家用操縦免許(PPL)の書き換え条件
- ICAO加盟国が発行した有効なPPLを所持していること
- 学科試験は「航空法規」のみ受験、他科目は免除
- 実地試験は原則免除(飛行経歴が要件を満たす場合)
- クロスカントリー、夜間飛行、PIC(機長)経験を証明できるログがあること
- 申請書(様式19号)および必要書類を揃えること
※詳細は国土交通省 航空局「外国免許の切替」をご確認ください。

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自家用操縦免許の書き換え
海外で免許を取得した後は、帰国前に日本での書き換えに必要な条件を満たしているかを確認しておきましょう。帰国してから不足が見つかると、再度訓練を行う必要が出るため、現地での最終確認が非常に重要です。
帰国前のチェックリスト
- 総飛行時間(Total Time)
- クロスカントリー飛行(距離・着陸記録)
- PIC(Pilot in Command)時間
- Solo Flight / Solo Night(夜間単独飛行時間)
帰国の2週間前には最終確認を終えておくと安心です。不足がある場合は、現地で追加訓練やクロスカントリーを実施してログに反映させておきましょう。
帰国後は、まず日本の航空身体検査を受け、同時に学科試験(航空法規)を受験します。その後、以下の書類を揃えて申請を行います。
書き換えに必要な書類セット
- ログブック(飛行時間・XC・夜間・PICの証明)
- クロスカントリールートの証明
- 学科試験(航空法規)の合格書
- 航空身体検査証明書
- 外国発行の操縦免許証の写し
- パスポートの写し
- 申請書(様式19号)および手数料納付書
※詳細は国土交通省 航空局「外国政府の発行したライセンスの切替手続について」(PDF)をご確認ください。
無線免許(航空特殊無線技士または航空無線通信士)は、書き換え申請時には不要です。ただし、日本国内で実際に飛行や訓練を行う際には必要になりますので、余裕をもって取得を検討しておきましょう。
申請から完了までには、長い場合で3か月以上かかることもあります。最も多い不備は飛行時間の記載ミスです。日頃から正確なログの記録を心がけることが、書き換えをスムーズに進める最大のポイントです。
事業用操縦士免許の場合
事業用操縦士免許(CPL)は学科免除の対象外であり、日本での実地試験が必要となります。カナダでの訓練経験や総飛行時間は評価対象となりますが、書き換えではなく、日本での試験受験資格として扱われます。そのため、まずPPLを日本に書き換え、その後にCPLを国内で受験する流れが一般的です。
帰国後のキャリアステップ
無事に書き換えや追加訓練が完了し、日本で発行される事業用操縦士免許への切り替えが終わると、いよいよ各航空会社の採用試験に応募できるようになります。採用情報は各社の公式サイトにも掲載されますが、航空業界では「常に採用を検討している」という文化もあります。挑戦したい航空会社がある場合は、直接問い合わせてみるのも有効です。
「海外で取得した免許は日本では使えない」という話を耳にすることがありますが、これは誤解です。確かに海外発行のままの免許は日本では使用できませんが、正式な手続きを経て日本の免許に書き換えを行えば問題なく使用できます。「書き換えても使えない」「採用されない」といった情報は誤りです。
日本では航空に関するリテラシーがまだ十分とは言えず、40〜50年前の常識をそのまま現代に当てはめて解説するベテランパイロットもいます。しかし、その方々は育成や採用、制度の専門家ではありません。最新の制度と実情を正しく理解して行動することが大切です。
「使えない」という言葉が一部正しいのは、書き換え後の国内飛行時間が極端に少ない場合です。日本では飛行1時間あたり6〜8万円、多発機では20万円近くかかることもありますが、飛行クラブに所属したり、弊社を通じて個人機オーナーを紹介することで、有資格者として経験を積むことは可能です。
帰国後は、国内空港でのタッチアンドゴー、クロスカントリー、夜間飛行、離島へのフライトなど、日本ならではの経験を少しずつ積み上げてください。その一歩一歩が就職への確かな道につながります。弊社も、皆さまの挑戦を最後まで伴走し続けます。
海外訓練から国内就職までの流れ(まとめ)
STEP 1:海外での訓練
カナダなどのICAO加盟国で訓練を行い、必要な飛行時間・クロスカントリー・夜間飛行を記録。
CHECK! ➤ すべての飛行ログを英語で正確に残すこと。
STEP 2:帰国前の最終確認
帰国の2週間前までにログブックを再点検。不足項目があれば現地で追加訓練を実施。
CHECK! ➤ クロスカントリー距離と夜間飛行時間を満たしているか?
STEP 3:帰国後の手続き
航空身体検査を受け、学科試験(航空法規)を受験。必要書類を揃えて免許の書き換え申請を行う。
CHECK! ➤ 手続きには最大3か月。ログ記入ミスに注意!
STEP 4:国内での経験積み
飛行クラブや個人機オーナーを通じて経験を積む。国内空港でのタッチアンドゴーや夜間飛行などを行う。
CHECK! ➤ 日本での飛行時間を少しずつ積み上げることが就職の鍵。
STEP 5:就職活動・キャリア構築
各航空会社の採用情報を確認し、条件が合うタイミングで応募。面接・適性試験に挑戦。
CHECK! ➤ 「海外免許は使えない」は誤情報。書き換え後は国内で問題なく活動可能。
この流れを理解して準備を整えれば、あなたの「海外訓練から国内就職」までの道が現実になります。
航空身体検査を受けられる主な医療機関
- 東京: 航空医学研究センター(羽田空港内)
- 大阪: 大阪市立大学医学部附属病院(阿倍野区)
- 名古屋: 名古屋大学医学部附属病院
- 福岡: 九州大学病院 航空身体検査部門
- 札幌: 札幌医科大学附属病院
- 仙台: 東北大学病院
原則として47都道府県に航空身体検査を実施できる医療機関があります。お住まいの地域に最寄りの指定医療機関へお問い合わせください。
※詳細は国土交通省 航空局「航空身体検査 指定医療機関一覧」をご確認ください。
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