なぜカナダへパイロット留学をするべきなのか。費用編

航空大国の構造で見る訓練費用の安さ

カナダの訓練費が安い理由は、単に「海外だから」でも「物価が低いから」でもありません。 航空大国として長年積み上げられてきた構造と環境があり、日常インフラのレベルにまで航空が浸透している。 だからこそ、日本では考えられないほど低い費用で、現実的にライセンス取得を目指すことができるのです。

しかしながら、安いから誰でも取得できる、誰でも安易に挑戦していい世界ではないことは言及しておきます。 昨今は安さだけでフィリピンなどへパイロット留学を勧めるエージェントが多く見受けられますが、長年の経験とフィリピンの現場を見てきた弊社の立場からすれば、その行為はパイロットになるどころか将来の可能性を自ら潰しに行く行為なのです。 この辺りは別記事で解説しています。

絶対に譲れない訓練費

もし皆さんが家計的に恵まれていて、操縦訓練に糸目をつけずにお金をかけられる場合を除き、訓練費とはパイロットを目指す人が最初にぶつかる現実的な壁です。

一方で、「海外は訓練費が安いから質が低い」「きちんとした訓練をしていない」といった話が、事実確認もされないまま語られているのも現実です。 しかし、少し立ち止まって考えてみてください。

なぜアメリカは日本より訓練費が安いにもかかわらず航空大国なのか。 なぜカナダはさらに訓練費が低いにもかかわらず、航空先進国として世界屈指の操縦技量を維持しているのか。

それは言うまでもなく、国ごとの物価だけでなく、航空がどれほど社会や文化の中に浸透しているかという構造の違いによるものです。

ここで誤解を招かないように明確にしておきますが、「訓練費を削る」という考え方は、決しておすすめできません。 それは費用削減ではなく、将来の安全性やキャリアを危険にさらす行為であることも、はっきりと明言しておきます。

訓練費が安いことの将来的メリット

訓練費が安いことは、短期的な話ではなく、長期的に見て大きなメリットを生みます。

日本はどうしても航空後進国であり、フライトスクールのインフラや航空文化への理解が十分に根付いているとは言えません。 その結果、訓練そのものとは直接関係のないコストまで含めて、訓練費が高くなりやすい構造があります。

例えば訓練費が2,000万円だったとしても、追加訓練、滞在費、食費などを含めると、総額は2,500万円をゆうに超えてきます。 もしこれが1年や2年で完結するのであれば、「時間を買う」という意味では一つの判断になるかもしれません。

しかし、日本で事業用操縦士免許、計器飛行、多発とすべての訓練を行う場合、確実に2年以上はかかり、 その間に訓練費はさらに膨らんでいきます。

訓練費そのものを削ることができない以上、重要になるのは「設計」です。 ベースとなる訓練費が低ければ、それを軸に生活費や滞在費を抑える現実的な設計が可能になります。

そもそもの訓練費が高すぎると、その設計自体が成立しません。 飛行機が高度を上げるために上昇するのは歓迎すべきことですが、価格の上昇は誰にとっても嬉しいものではありません。

なぜカナダは訓練費が安いのか

今の世界、なぜこれほどまでに訓練費の差が生まれるのか。 それもカナダのような航空先進国であれば、なおさら訓練費は高いはずだと考える方も多いでしょう。 しかし現実には、日本の1/3〜1/2という水準で訓練が成立しています。 その理由を、航空大国として成立している構造の視点から見ていきます。 なお、航空先進国カナダでは$60,000CADはむしろ高い部類です。

1.エネルギーと運用コストの構造が違う

カナダはエネルギー大国であり、航空燃料の価格や税制、流通構造が日本とは根本的に異なります。 重要なのは安さそのものではなく、価格が安定しており長期的な運用計画を立てやすい点です。 その結果、訓練機の稼働が止まりにくく、一人あたりの訓練コストが抑えられています。

2.訓練効率が極めて高い環境

晴天率が高くフライト可能日数が多いことで、訓練や試験までの待機期間が最小限に抑えられます。 日本では数日から数週間かかる5時間の訓練が、カナダでは1日で完了することも珍しくありません。 この「止まらない環境」が、結果として費用を下げています。

3.競争が機能している市場構造

カナダには約280のフライトスクールが存在し、健全な競争原理が働いています。 競争があることで価格と訓練内容のバランスが自然に調整され、 留学生の長期滞在を前提とした無理のない価格帯が市場として成立しています。

4.機体維持と稼働率を前提とした設計

中古機市場や整備インフラが成熟しているため、機体の維持費や整備コストが抑えられています。 その結果、訓練機を止めずに運用でき、稼働率を高く保つことが可能となり、 一人あたりの訓練費用を下げる構造が成立しています。

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最後に

価格という言葉から、フィリピンへのパイロット留学を思い浮かべる方も多いかもしれません。 しかし、結論は明確です。 「絶対におやめ下さい。」 「ダメ!ゼッタイ、ダメ!」 です。

フィリピンへのパイロット留学で成功した人を、私たちは一人も見たことがありません。 フィリピンで訓練した後にアメリカやカナダへ進み、キャリアをつなげるという話も、現実的には成立しません。

昨今は、パイロット留学という分野で「稼ぐ」ことを目的としたエージェントや個人が増えています。 事業として利益を上げること自体を否定するつもりはありませんし、それ自体は正しい行為です。 しかし、将来のパイロットの質や航空業界への貢献を考えず、 その国の制度や構造を理解しないまま、耳障りのいい言葉だけを並べてフィリピンを勧めている現状を、 私たちはカナダの現地でも数多く目にしてきました。

エージェントを必要としない人がいることも、十分に理解しています。 自分で情報を集め、判断し、行動できるのであれば、それで問題ありません。 ただし重要なのは、エージェントにどこまで任せ、どこからを自分で担うのかを見極めることです。 その判断を誤ると、時間もお金も、そして将来の可能性そのものも失いかねません。

詳細は別記事にて

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